全てのはじまり

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「ま、もし何か変わった事があればすぐ私に教えて」 「……ありがと」 菫は物事をハッキリ言うタイプだけど基本的に優しい。昔から男女共にモテていた。 少しモヤモヤしつつ、メッセージカードをバッグにしまいアパートの部屋に入る。 「今日は泊まっても良いのかしら?」 「うん。好きなだけいて良いよ」 「じゃあお言葉に甘えるわね」 ドサドサと大量の荷物を置いて、菫は荷解きを始める。私はお酒とおつまみの準備をしよう。 「司」 「?」 「これ、アンタにお土産」 菫に手渡されたのは沢山のチョコレートやキャンディ、それに綺麗な青いリングケース。 「指輪?」 「そ。めちゃ可愛いピンキーリング見付けたのよ。私がピンクゴールドで司はプラチナ」 「ちょ、こんな高そうなお土産もらえないって」 しかもついてる石はダイヤモンドだ。一つ数万円はするのではないだろうか。 「いーの!早いけど誕生日プレゼントだと思って」 「……そういう事ならありがたく」 デザインは私好みでさすが菫チョイスだ。 「そうそう。素直に受け取れば良いのよ。ほら手貸して」 スッと右手を取られて小指にピンキーリングがはめられる。サイズはピッタリ。可愛い。
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