遠い国の詩

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         Ⅰ グァバの瑞瑞しい香気が大気の中に滲んでいる 取る者のいない公衆電話の受話器が 淫靡に熟れたカエンボクの鞘のように ダラリと垂れ下がっている 空色のトラック リヤカーを曳き声を張り上げるひよこ豆売り ルート26のピエロは 同じ愛についての小咄を今日も繰り返す
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