1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううんっ、委員長も聞いてくれるなんて嬉しい!
ねえ、やっぱり頭がいいと名案も浮かぶよね?
あたし、あたし、どうしたらいいのかな?名前も学年も、
何もかもわかんないんだよ?
あのね、あたしだって、勇気を出して声をかけてみたよ?
でも、でも、相手の子は、振り向きもしなくてぇ~っ!」
菜々ちゃんがコッペパンを握り潰しそうだ。
いつも何かしら問われたら『それでいいと思います』だけ言う。
そんな真奈ちゃんの意外な一面が見れて、ちょっと嬉しいけど
同時に切なさがあった。
だって、その、川原にいる男の子......。
「わかった。真奈ちゃんの代わりに、あたしたちが彼と話す。
そのうえで、何を言われても、真奈ちゃんは受け入れる。
ねえ、これだけは約束して!」
那由多が大きな瞳を更に凛としてみつめたら。
真奈ちゃんはうなづいた。
こういう目ヂカラの強さは素直に尊敬できる。
最初のコメントを投稿しよう!