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「あれ?」
ようやく少年が気づいた。
白く細い足、白い靴下、そして......靴を履いていないことに。
「え?なんで?」
草むらに座っていたので、足先が草に埋まっていた。
真奈ちゃんも気づいていなかったのだ。
「君ね、お家で死んじゃったんだよ」
那由多が立ち上がって言った。
川の向こうの夕日がすさまじいピンク色で、いつもなら感動するけど
なんだか怖く感じた。
「あ、そっか、俺、学校に行こうとしたら熱がすごくて。
そんで、そのまま......。でも、学校には行きたくて、はりきって、
でも宿題を忘れてたの気づいて......」
ずっとここで宿題をやってたんだ?
けなげで魂の美しい子だね。
「あっ、2人、話してる!はっ、話せてる!」
真奈ちゃんがタイミングよくやってきた。
宿題をしていなかったせいで。
居残りで掃除当番を、させられていたのだ。
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