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新庄は、一呼吸おいてから、答えた。
「同じ秘書課の鮫島京介です」
「えっ? あの鮫島か?!」
鮫島京介は、一真を支えている新庄の右腕として、何かと役に立っている男である。
「何で、あの鮫島が、サトリを誘拐するんだ?」
新庄は、重い口を開いた。
「一真様……。一真様が、まだアメリカのマサチューセッツ工科大学にいた頃、会社を立ち上げて、その時、多くの中小企業を買収されたでしょう?」
「ああ、確かに。俺はあの時、会社を大きくしたくて、立て続けに買収を繰り返していたよ」
「その中に、日本の山陰の小さなバネ工場も買収されましたよね。覚えておられますか?」
「いや……。記憶にはない。あの時、大量に買収したから」
新庄は、それを聞いて、暗い表情になった。
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