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そして、口を開いた。
「鮫島京介は、私が調べたところ、そのバネ工場、鮫島工業の社長の息子です」
「そうなのか? それが、何故、サトリを誘拐したんだ? やっぱり金か?」
新庄は、首を横に振った。
「いえ、おそらく金ではなく、恨みでしょう」
「恨み?」
「ええ。鮫島工業の社長だった鮫島の父親は、一真様に会社を買収された後、家族を道ずれに心中しています」
「え……」
一真は、愕然とした表情をした。
その一真に、新庄は続けて言った。
「一真様に買収された後、鮫島社長は、生きる意欲をなくし、うつ病になって、住んでいる家に放火して、家族を道連れにして自殺したんです。しかし、三男の鮫島京介だけが生き残った……」
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