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「バカ野郎! オレのハーレーには、いい女しか乗せないと決めてるんだ。お前みたいに乳臭いガキなんか乗せられるかっ!」
一真は、サトリの甘えを一蹴した。
サトリは、頬を膨らませて言った。
「乳臭いって、一真が、母乳で育てたわけじゃないじゃん!」
「あったりめえじゃねえか! お前は、粉ミルクの哺乳瓶育ちだが、オレが夜な夜なお守したんだぞ! 有り難く思え」
そうなのだ。
幼いサトリを、まだ十代だった一真が育てるのは、大変だった。
それでも、一真は、サトリを誰の助けも借りずに、一人で必死に育てた。
サトリは、一真にとって、この世で一番守るべき大切な存在だったのだ。
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