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「サトリ……」
一真は、急に真面目な顔になって言った。
「何よ?」
サトリは、怪訝に思って訊いた。
「あのな……」
「うん」
一真は口をつぐんだままだった。
「……まあ、いい……」
「何よ、それ!」
サトリが、また、頬を膨らませて怒ると、一真は、低い声で言った。
「まあ、気を付けろよ……いろいろと……」
「何よ、意味深ね」
「まあ、道でこけたり、学校でいじめに遭ったからって、学校に火とか付けるなってことだ」
「なに、それ! 学校でいじめられたから、放火したのは、一真でしょ!」
「それは、あれくらいしなけりゃ、学校ってやつは動かないと思ったから、計算ずくでやったんだ。けが人が出ないように」
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