迷子

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「みっくん、ごめんね。ママ、みっくんを置いてお買い物に行ってごめんね」 「大丈夫だよ。お母さんがすぐに僕を見つけてくれたから」 「ママ、みっくんを見つけたの?」 「そうだよ。忘れちゃった?」 「……忘れちゃった。ママ、いっぱい忘れちゃったの。ごめんね」 「僕の事は覚えているでしょ?」 「うん。みっくんの事は覚えている」 「じゃあ、康太は?」 みっくんが男の子を見る。 よく見ると、みっくんにそっくり。 「もしかして、みっくんの子?」 「そうだよ。康太はお母さんの孫だよ」 「ママ、孫がいるぐらいおばあちゃんになってたのね」 「うん。今年で80歳。この間、みんなでお母さんのお誕生日会をやっただろう?」 言われてみればそんな気もする。 そっか。みっくんはちゃんと見つかったんだ。 こんなに立派な男の人になったんだ。 良かった。 「ママ、みっくんに会えて幸せよ」 「うん」 みっくんが涙ぐんだ声で頷くと、笑った。 二才のみっくんと同じ笑顔。 ちゃんとみっくんいたんだ。本当に良かった。
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