doll 1 : ジュン

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「先ほどのやり取り……少し見学させてもらったよ」 「有馬部長!?」 「あぁ……お恥ずかしいですね」 「いやいや、姫を守るナイトのようだったよ。朝生くんのナイトは大野くんだと思っていたがね~」 「大野?」 「ちょっ!? 部長、ヘンな事云わないでください!」 「ハハハ! すまん、すまん」  有馬の言葉に、小首を傾げて美加を見つめるジュン。  美加が焦ったようにそう云うと、有馬は豪快に笑いながらその場を立ち去った。 「美加、大野って?」 「あぁ……職場の同期。同い年で同期だからよく一緒にいるだけで……」 「その大野って人は、美加のこと……好きなんじゃないの?」 「はぁ!? ジュンまでヘンな事云わないでよ。そんなワケないじゃない!」 「そう?」  美加はそう云って歩き出していったが、ジュンは静かにこちらを見ていた1人の男性の視線に気づいていた。
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