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「アイツ……新しい彼氏、か?」
「アイツ? ……あぁ、ジュン? う、うぅん。彼はそんなんじゃなくて……」
「彼氏候補、ですよ」
「ッ!?」
突然聞こえた声に、悟も美加も驚いて声のした方に目を向ける。
そこにはジュンが意味深な笑みを浮かべて立っていた。
そして悟の横を通り抜ける際に小さな呟きを残す……
アナタと同じ……ね
と。
「ッ!?」
ジュンの呟きに、悟は驚きに目を見開いて彼を見つめる。
ジュンはニヤリと意味深な笑みを浮かべて美加の傍らへと歩み寄る。
「ジュン?」
「ごめん、待たせて」
ジュンはそう云って美加の頭にキスをする。
瞬間、ジュンの行動に驚きつつ怒りを見せる美加は悟の表情が少し曇った事には気付かなかった。
「じゃ、オレはこれで……」
「あ、うん……」
悟はそう云いて2人に会釈すると、早足に会場へと戻っていった。
美加は気まずそうに返事を返す。
「イケメンだね」
「え? 何?」
ジュンの言葉が届いていなかったのか、美加はハッと我に返ったように彼を振り返る。
そんな美加に、ジュンは小さくため息をつきながら悟が消えていった方向へと目を向けた。
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