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パーティーもお開きとなり、二次会だと騒ぐ人たちを置いて美加とジュンはマンションへと帰ってきた。
「あ~、疲れたぁ!!」
リビングに入るなり、美加はそう云って上着を脱ぐとソファーに体を投げ出す。
ジュンはクスリと微笑みながら上着を脱いでいた。
「美加、先にシャワー浴びておいで」
「うん、そうする~」
ソファーから立ち上がった美加は、そう云ってバスルームへと向かった。
その背中を見送りジュンは小さくため息をついた。
バスルームで適度に調節されたお湯を頭からかぶりながら、美加は今日の疲れを落としていた。
そして思い出すパーティー会場での数々……
『オレはジュン。彼女の彼氏立候補者の一人です 』
『朝生くんのナイトは大野くんだと思っていたがね~ 』
『その大野って人は、美加のこと……好きなんじゃないの? 』
「ないない! 絶対あり得ない!!」
美加はそう叫んで思い切りブンブンと首を振る。
だが、真剣な表情をして「キレイだ」と云ってくれた時、不覚にもドキリとしたのは事実だった。
複雑な気持ちで美加は頭からお湯をかぶり続けていた。
「私は……」
美加はそう呟いてゆっくりと顔を上げた……
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