転生

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ーーー 次に目を覚ますと、鳥の鳴き声に木の葉の間から暖かな木漏れ日が差し込んでいた。 どこかの森の中みたいだ。 手に伝わる葉の感触からして、雨が降っていたのかしっとりと濡れている。 すげぇ…異世界だ!! 転生じゃなくて、転移のパターンか!! 早速起き上がって、アイテムボックスを開いて見る。 ふむふむ、グレートポーション×3か… いい物か分からないが、持たせてくれただけありがたい!! 他にも色々見てみるが、スキルで今出来そうなのは獣化くらいしか無かった。 よし、早速… 獣化!!! ポン!と体が弾けるような感じがして、視界が真っ暗になる。 …あれ? 少しもがいてみると、太陽の光が差し込んだ。 視線が大分低い… 周りを見渡すと、どうやら獣化で縮んだせいで自分の着ていた服が覆いかぶさったようだ。 アレ…? 思ってたのと少し違うかも…? 俺はモフモフとした自分の小さい手を見る。 まだレベルが低いからか? それより、今どんな姿をしてるんだろう… お、あんな所に程よい水溜まりを発見! なれない四足歩行で、トテトテと向かう。 覗き込んでみると… あら、まあ可愛い… つぶらな瞳の子供のハスキー犬が青空をバックに覗き込んでいた。 ステータスやレベルが上がるまで、獣化は控えた方がいいかも知れないな。 ガサガサ! 俺がそう思っていると近くの茂みが音を立てて揺れた。 やばい、もしかしてモンスターか?! 『ぷはぁ〜、…あ!!』 そう思って身構えると、頭に葉っぱを引っ受けた少女が顔を出した。 緊張で身体が一瞬強ばったが、少女が目をキラキラとさせながら近寄ってくる。 ふぅ…モンスターじゃなくて良かった。 少し警戒が足りなかったかもな… それにしても、子犬視点だとこんな少女でもなかなか迫力がある。 『こんにちは!』 少女はしゃがみこんで俺にはにかんだ。 手には笛のような物を持っている。 「ワン!」 流石に今大人の体に変身しては色々なトラウマを植え付けかねない。 それに、戻った時に高確率で服は着ていないだろう。 今はプリチーな犬の振りをしておこう! そう思って、差し出された手に頭を擦り付けようとした刹那… メキャ!!! 少女の拳が俺の横っ面にめり込んだ。 な、何事だ?! 軽く吹き飛んだ俺に馬乗りになり、更に追撃を仕掛けてくる少女。 いた、ちょ、まって、ほんとに…!!! 『なかなか手強いな〜…よ〜し!!』 そう呟くや否や、手に持っていた笛を俺の耳におもいっきり突っ込んできた。 いてぇえええ! ほんとに待って…!! 俺の願いも虚しく、次の瞬間爆音がしたと思った時には意識を失った。
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