転生

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『テイムされました。』 ーーーここは… 身体中ズキズキと痛む中、ぼんやりと目を開けると、飛び跳ねながらはしゃいでいる少女が目に入った。 一瞬夢かと疑ったが、身体中の痛みが現実であると訴え掛けてくる。 『やった!何なのかな…犬だよね…』 少女は満面の笑顔で近付いてきて、俺を抱き上げる。 いてぇええええ! その瞬間ダメージを受けていた体が悲鳴を上げた。 『う〜ん、わ、くさっ!!…あなたの名前はイヌクサね!』 次の瞬間、俺の中で何かが変わった。 いや、何が変わったのかは分からないが自分の事をイヌクサだと強く認識した。 え、ちょっと待ってくれ!! 『ちょっと、暴れちゃダメだよ!』 次の瞬間、意に反してピタッと俺の身体が固まる。 脳内の処理が追いつかない。 え、え、? 俺もしかしてテイムされた? いや、流石にそれは無いだろう… とりあえず、事情を説明しなくては。 トラウマを植え付けられないとか言ってられないぞ…このクソガキ…むしろ植え付けてやれ!! 真・獣化!! 『権限が無いため発動出来ません』 え…? 脳内に赤文字でそう表記された。 何かの間違いだよな…? 権限…? とりあえず、もう一度! 真・獣化!! 『権限が無いため発動出来ません』 嘘だろ… まさか、転移して早々俺の異世界ライフはペットとして終了って事ですか… 「あ、そうだ!怪我治してあげなきゃ!!」 茫然自失な俺をよそに、少女は手に持ってた笛…篠笛ってやつか?それを口に当てた。 「〜♪〜♪」 そして、やたら綺麗な音色を奏でると身体の痛みがみるみる引いていく。 すげぇ…魔法みたいだ! いや、ここは異世界だし魔法か!! 「これで、バッチリ!さぁ、着いてきて!!」 少女が背を向けて歩いて行く。 なんでこんな事に… いや、まだ諦めるには早いかも知れない。 どうにかして、テイムを解除してもらう方法を探さないと!! 俺はそう思いながら、慣れない四足歩行でとぼとぼと背中を追って歩いた。
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