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「どうしよう…私のせいだわ」
ソファに座って両手で顔を覆った私は、どこまでも沈んでいく。
ずぶずぶと、どこまでも…。
「景子のせいじゃない」
「でもっ!」と、勢いよく顔を上げる。
気遣わしげな視線を投げる秀人は、そっと私の肩に手を置いた。
「自分を責めても始まらない。とにかく、どうするか考えよう」
「…あの子に決まってるわ」
「まだ決まったわけじゃないだろう?」
「志保しか居ないわよ!少し前に凛花の前に現れたって武藤さんが言ってたし、あの場を離れるにしても、私に声を掛けるはず。あれだけ探してたのに見当たらないのよ?連れ去られたに決まってる!」
「もしそうだとしても、警察に届けよう」
「あの子に、あの子たちに何かあったら…」
何も掴まるものがなく、深い闇の中を落ち続けていく感覚。
私が母娘を引き裂いたから、強引に奪い返しに来たに違いない。
それなら、どうして愛子まで?
凛花だけならともかく…いや、引き離されるくらいなら、一緒に死ぬつもりかも?それなら姉の大切なものまで道連れにしようという、腹づもりなのでは?
早く見つけないと、あの子たちが殺されてしまう。
志保ならやりかねない。
私の妹は…そういう人間なんだ。
姉を不幸にするためなら、なんだってする…。
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