プロローグ

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プロローグ

このまま行けば、彼と結婚できるものだと思ってた。つい数分前までは。 (これ、どういう状況…?) 目の前で彼氏が、自分ではない別の女に口付けをしている。足元から何かがガラガラと崩れていくような感覚に陥っていた。 ここは6人で共同生活をしているシェアハウスで、シェアメイトの康太と付き合っていた私は、共有リビングでキスしている康太と美紅にばったり鉢合わせてしまったのだ。 (明日からどうしよう…もうここにはいられない…) 「ん…?沙耶?」 「えっ」 私は「元」彼氏にその存在を気づかれてしまい、逃げるように自室に走っていった。 目頭が熱くなってきて、溢れ出るものを堪えるように噛み締めた。 どこから間違えてしまったんだろう。 順調に関係を育んでいると疑わなかったし、その道は結婚に続いていると思っていた。 でも、そう思っていたのは、私だけだったようだ。
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