気になって仕方がない 〜天音side〜

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世の中、そんな酷い事があるのか。 彼女がいるのに他の女に手を出す男も、そんな男を分かっていて受け入れる女も、どちらも信じられないな。しかも、同じシェアハウス内で。 そこからは、山本を元気付けたくて、食事に誘っていた。 「元気付けたくて」なんて高尚(こうしょう)なことを言っているが、自分の気持ちに気づいた今となっては、もっと山本との距離を縮めようと無意識にも動いていただけだ。 日本酒とおでんのお店に行ってからは、「はぁぁ…幸せ」と言いながらおでんを食べる山本が完全に俺のことを忘れていて、見ていて面白かった。 バリバリと仕事をしている時には見られない、(ちから)の抜けた幸せそうな顔に見惚れてしまった。 飲み過ぎて酔っ払った山本が、突然トロンとした目で「あの……天音さん?」と言った時は、心臓が飛び出るかと思うくらい驚いた。 こんなに可愛い顔もするのか。 他の男には見せたくないな…。 家に着いてからは、突然目の前で服を脱ごうとし始めるし。 ただ、山本が「やっぱり私と付き合うの大変ですか?」と悲しげに言った時は、胸が締め付けられる気持ちになった。
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