本丸陥落

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本丸陥落

   情報が割れた。勘解由小路はそう言った。 「変態親父は議員会館にいるとさ」 「それはいいのだが、どうして民自党の幹事長になるんだ?」 「まあ、牽強付会でゲスなあ」  ああうるさい。横から入ったちゃちゃを、勘解由小路は腕で払って言った。 「ああ?児童買春してるってことは変態だろう?買いたい奴がいるなら、当然そうなるよう出来ている。ウォークマンを買うより、会社作った方がタダで手に入るから早い。変態同士のお友達も出来るしな。こいつみたいな。じゃあ次は議員会館だ」  勘解由小路は、さっさとリムジンを捕まえに行った。 「この議員センセは、どうするんでゲスか」 「いずれにせよ、児童買春規制法違反だ。よろしいですね?」 「ああもういいですよ。トキさまに嫌われたら、終わりですし」  小野渕議員は、早々に道を諦めていた。  道すがら、小鳥遊は不服そうに言った。島原も当然だった。 「大体、本気か?通すべき筋があるだろうに」 「俺にはないぞ。そんなもの。小鳥遊、お前はどうする?」 「上級国民の黄昏なうでゲス!行くに決まってるでゲス!ああでも早速おっぱい触られてるでゲス!流石にしつこすぎでゲスああああああ!ひと晩中、一睡もしてねえでゲス!一回家に帰してくだせえや!」 「何言ってんだお前は。俺の相手するなら、2徹3徹当たり前だろうが」  リムジンが、千代田区を目指して安全に爆走していた。  千代田区永田町の議員会館に、極めて偉そうなリムジンが到着した。  勘解由小路は、何故か塩尻耕三幹事長のプライベートエリアに、迫りつつあったようだった。 「警視庁の刑事さんですね?先生は、本日お会いになりません。何かあれば、礼状をお持ちいただけますか?」  当たり前に、秘書に事務官、警備員が立ちはだかっていた。 「児童買春してる変態親父に会いに来たんだ。さっさと通せ木っ端人間共が」  直球にもほどがあった。 「流石に、民自党の幹事長のガードは硬えでゲスな」 「どうする?まさに門前払いに近いぞ」  小鳥遊島原の感想は、そんなもんだった。 「まあいい、いずれ鶴の一声が鳴く。お前等は、精々優越感に浸っていろ」  部屋の奥の扉が開いて、気色ばんだおっさんが怒鳴っていた。 「貴様等ああああああ!そのお方を今すぐお通ししろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「え?!先生?!」 「あれ?これは、何がどうなってんでゲスか?」  小鳥遊が言ったが、おっさんは完全スルーしていた。 「ここにおわすお方をどなたと心得る?!恐れ多くも我が国の中枢に君臨あそばされている、大変貴重なお方なのだぞ!さあ奥へどうぞ!所属する党は違えど、この塩尻耕三、地獄の底までもお供いたしますぞ!どうぞよしなにお願いいたします!勘解由小路様!」 「まあ、警察の世界では、よくあることだ」  コメツキバッタのような、民自党の大物議員に案内されていった。
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