同調

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 『同調』はシンクロニー現象を由来としています。本来のシンクロニー現象は「今後も良い関係性を続けていきたい」と感じる人同士で起きる、自分をお互いに似せていく現象です。  似たような言葉ではミラーリングがありますね。ミラーリングは相手の行動や言動を真似ることで親近感を演出します。主にビジネスシーンで使われることで広く知られています。  ミラーリングとシンクロニーはほぼ同義で用いられることが多いですが、ミラーリングは意識的に起こす、シンクロニーは無意識に起きると分けても差し支えないでしょう。  夫婦は似るのは長い時間を過ごすことでシンクロニー現象が起こり、仕草だけでなく顔の表情なども真似ている可能性があるので、顔が似てくる現象も説明できます。生活リズムや習慣、同じ食事を取ることで体質まで似てくる可能性もありますね。  また一説によると、妊娠によって母親が父親に似てくるのだとか。  どういうことかと言いますと、胎児は胎盤を通じて母親の血液から酸素や栄養を受け取ります。つまり循環する訳です。この時に胎児のDNAが混入します。胎児のDNAが母体に侵入するということは、胎児の父親……血の繋がりのない他人のDNAが紛れ込むことです。  実際、採血によって胎児の遺伝子を調べることは技術的に可能です。DNAが原因であるなら、夫婦は似ると言うのもあながち錯覚ではないのかもしれません。  赤の他人である夫婦が似るようになる。それは遺伝子の乗り物である人間の面白い性質かもしれませんね。ひょっとしたら我々に見分けがつかないだけで、動物の夫婦も顔が似ているのかもしれませんね。  ……しかし何故そのような現象が社会制度と結びついたのでしょうか。  本日、スタジオには専門家の先生をお呼びしています。先生、お願いします。
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