同調

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「彼女のことは好きだけど、結婚は絶対にしません。だってほら、(彼女は)今の方が可愛いですから」  Bさんは同棲している彼女とパートナーシップを希望していますが、親に反対されています。 「母はちゃんと結婚して『同調』しろと言います。でもそれって彼女のことを信じてないってことですよね。ひいては息子の見る目を信じてないって言うか」  旧態の婚姻制度に馴染み深い親世代は、自分の子供たちにも婚姻を結んでほしいと考える人が多い。特に息子を持つ親にその割合は多く、DNA検査をせずとも親子関係を証明できる『同調』を求める動きが盛んです。 「ちゃんとするって、何なんでしょう。パートナーシップを結んで財産周りを綺麗にしておく。それでもちゃんとしないことになるんでしょうか」  パートナーシップ制度において、財産や相続に関しては法定相続分はなく、契約・遺言で指定する必要があります。通常の婚姻関係を破棄、即ち離婚した場合は夫婦で年金分割が可能ですが、パートナーシップの解除ではこの制度を利用できません。 「同一であることに何の意味があるんでしょう。僕はありのままの彼女を好きになったのに。親の考えることは正直分かりません。彼女への失礼が目に余るようなら、(母親との)絶縁も考えています」
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