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じゃぱねすく その後
中尾龍紀の居る教室に彼女は居た。
中国から日本に帰化した少女の名前は虎紀・中尾。帰化したので読み方は和風の「なかお」で良いと誰かに言っていたっけ。
龍紀は虎紀が自分も属する『中尾ファミリア』かもしれないと怯えていた。同族にも『見えてしまう「つの」』が龍紀の頭には2本生えているから。鬼扱いされて除霊されたら堪らない。
殺されない様に龍紀は虎紀を避けた。
そんな事知らない虎紀の友達が「おとなしい子だから今まで気づかなかったと思うけど」と言って私の事を虎紀に喋った。
「御先祖様がおんなじだったりして」と笑う彼女の向こうの虎紀の視線を感じた。病弱で貧弱な体の私と違い『安産体形』をしてる。そんな彼女は目をこすりながら此方を何度も伺う。
そしてツレを残る様に言い含めて私の目の前に現れた。「はじめまして、私虎紀・中尾」あなたの名字も中尾なんだって?名前は?と聞く彼女に「龍紀です」と、か細く答えた。
もう終わりだと思った時、彼女は私の耳もとで囁いた。「ソレ痛そうだけど」大丈夫と心配げな表情に、私はたれることを止まない冷や汗が止まるのを感じた。
了
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