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毒と優雅 その後
「記念写真撮るよ」彼女が言うなりスマホを取り出した。
告白と両想いの記念にとるんるんだ。「ちょっとたんま」頬のルージュを落とすからと海月帽子の少女。
「ダメ」その姿を記念に残したいんだから。と彼女は微笑む。「恥いよ」と海月をモチーフにした帽子の大きいつばで海月少女は両目を隠した。
「嬉しくて私うかれていた?」と声のトーンを落とす彼女に「違う違う、そうじゃなくて」ヤキモチの痕を未来に残すみたいで恥ずかしい。と、海月少女はぼそっと言った。
「あたり」と彼女が笑む。「いつか貴女が私に寂しい想いをさせる時の」御守りにするから。
と彼女がスマホをむける。「そんな事するわけない」と海月少女は大きな声をだしたので、一瞬町の注目の的になる。
好奇心の町人に『きっ』とした顔をむけ無言で「聞くな、そして見るな」圧力をかける。そして「1枚だけだからね」と決断した。
「ありがとう。嬉しい」と彼女がスマホの角度を調節する。「良い顔1枚」と彼女が笑いながら声をかけると、海月少女はどや顔を決めた。
そのハンサムな表情は、驚いた彼女がスマホ落としかけるくらいに。
そのスマホには海月少女がカッコ良く写っていた。
了
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