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目付きの悪いウサギ その後
「どちらも好き」と言ってから何日か経った。
ツレ達は「春日(はるひ)マジ?」としつこい。
紀子ちゃんが私に話しかける隙を与えない様にツレ達は私に真偽を問う。
「しつこい」どうして信じられないの?との私に「あんたノンケじゃん」ウチらと話しててもイケメン居ないねーつー話にマジで相槌うってたじゃん。
ツレの一人が『最近の春日はどーかしてる、おかしいよ』と自論をさげない。
「生まれ変わったの」と私は自分がノンケだった事を否定せずに今の気持ちに正直に言葉を放つ。「じゃあ、アノ子とえっちな事したいの?」とツレが決め手の様に私を責める。
「出来ないけど」今はまだと説明する私。「でも、どんなイケメンだって、えっちしたいと思った事ないから」と少し冷たい言い方をした。
「アノ子と一緒に居たいから、ウチらとつるむ方が後悔するの?」と涙目で大人しいツレが泣き出す。
「みんなの事は大切[な友]だけど」「紀子ちゃんとは『アベック』になりたい」と素直に今の気持ちを吐いた。仕方ないなという雰囲気にようやくなった。
「アノ子に幻滅したら、いつでも戻っておいで」とリーダー格のツレに言われ「ありがとう」と飛び出した本音は『紀子ちゃん』に届けようと落ち着く私とツレ達だった。
誕生日に貰った二人とも好きな目つきの悪いウサギ君[のマスコット]をぎゅっと握った。勇気をもらおうと思って。
了
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