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ブラ忘れちゃった
「透けてる」
見覚えのない少女に声をかけられた。クラスメイトなのだけど、残念、名前がわからない。「うん。わかってる」と、私は女子校だから平気と伝えた。
胸の突起がシャツに膨らんでいる事を教えてくれたのだろう。昨晩は味噌ラーメンで胃が気持ち悪くなったので、衣類を緩めて寝てしまい、そのまま学校に来てしまったのだ。
肩甲骨に届くツインテールのその娘は「そう」と言って着席した。
今は体育の時間なのだ。今日の私はノーブラなのだ。バレーボールの時間で、サーブとレシーブだけ何とかなる私は、内申書に関係無いその時間を、サボッている生徒達にはわからない「汗をかく喜び」を楽しんだ。
トスやスパイクやブロックを決められる生徒に拍手する。何とか入るサーブで安堵の私も試合運びにドキドキした。来た!強烈なスパイク!腕ではなく、ほぼ平らな胸で弾いてしまった。
「痛ッ」と私が声を漏らしたから、担当教諭に「保健室に行く様に」と指示された。先程のツインテールの娘こが「保健室に付き添います」と言って教諭の許可をとり、肩をくんでくれた。
この娘はサボり組なのだろう?ボディソープの良い香りを振り撒いていた。汗だくの我が身が少しだけダサく思えた。
保健室に養護教諭が居なかった為、ツインテールちゃんに炎症はれの手当てをしてもらった。胸を直に見られるのに慣れてない私は、かなりドキドキした。「子供の突起ってエロいよね」とツインテールちゃんは言った。「大人は愛撫しあっているから大胆なサイズだけど」そんなこと知らない子供は小ぶりだからね、と笑った。ドキッとした。
「お母さんと比べると」色っぽーとツインテールちゃんに言われた。「助けてくれてありがとう。でも」エロいよと私は答えた。ふふっ「じゃあ私のも見る?」とおちょくられたので「堪忍してよ」と嘆く羽目にあった。
ズキリと痛かった胸の炎症の手当てを終え体操服に着替えた私はホッとしながらもドキドキしたと、汗ばみ驚いていた。
チャイムがなったので、二人で教室に戻った。可愛いで有名な我が校の制服に身をまとうツインテールちゃんはアイドル顔負けの可愛らしさだった。私はこんな可愛い娘こがクラスに居るなんて、と今更想う。無関心にも程があると。鈍感だねー私。笑えた。
私が着ても普通の制服が「お嬢様のいでたち」の様にさまになってる。
品のある上質な少女だなと私は想った。
「みんなが教室に帰ってくる前に」 メアド交換しようとスマホを差し出された私は赤面しながらも、彼女のメアドを受け取った。そして彼女の名前を知った。
了
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