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じゃぱねすく
私は日本人の中尾龍紀(なかおたつき)と申します。
あの唐や四国を故郷とする、安産一族中尾の血族ながら、貧弱な身体で、普段から眩暈や吐き気が多いことから、とうてい『母』になる気はありません。
そんな幼少期をおくったものですから、素敵な異性を遮断して、同性を穏やかに見てました。
そのうちに、本当に女性にしか『素敵』と感じられない様になりました。
この前もたまたま用が合った生徒会室で、会長と書記がイチャイチャしていたのを見て、女の子同士で「羨ましいな」と思ったモノです。
お弁当を食べている会長のほっぺについてる米粒を書記がつまんで食べてる姿に浅ましい私は、恥ずかしい事を想いました。
そして私のオデコに報われない恋心の結晶としてこの『つの』が生えたのです。
この『つの』は中尾の血族にしか見えません。だから私はやましい思いを病弱のせいと隠しながら、此れからも生きてゆくのです。
そう、この生涯が終わり幽鬼と成り果ててしまっても……
だけど誰か。あててください。このつのに癒しのくちびるを
了
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