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そして、お正月。伊織先生の招待だから僕らはちゃんと女体化して、さらにお母さんに振り袖を着せてもらってお父さんに車でイベント会場に連れて行ってもらった。そこには親子連れが沢山いて賑やかだった。
入口にはアーチがあって、そこにイベントの名前が書かれている。
『にょたチョコ男子といのししさんふれあいイベント』
「平和そうだ!」
フーフーが叫んだ。
「普通、イベントって大体平和じゃないの?」
「いや、にょたチョコ男子のイベントは……」
「風!」
スイスイが突然叫んでフーフーが口ごもる。
「そうだよな。普通、平和だよな」
フーフーはえへへと笑うけど、気になる。フーフーもスイスイもにょたチョコ男子イベントの動画見てるくせに内容教えてくれないんだもの。
「さてさてかわい子ちゃんたち行くよーー」
お父さんに促されて、アーチをくぐって奥に行く。屋台も沢山出ている。あちらこちら見ながらお父さんに着いていくと、運動場みたいなとこについた。
そこには猪さんと八くんとカイくんの猪三匹が子供たちに囲まれていた。瑠璃お兄ちゃんたちにょたチョコ男子もいる。
瑠璃お兄ちゃんと良お兄ちゃんは猪さんに小さな子を乗せて手を繋いで一緒に猪さんと並んで歩いている。
八くんはちょっと大きい子を乗せて障害物をトントンと飛び跳ねている。一つクリアすると五丁目さんとタッくんがクリア報酬のお菓子を子供に渡している。
カイくんは、沢山の子供たちにシャンプーされている。その側には香多お兄ちゃん、げたんわんお兄ちゃん、うた先生がちゃんとついてる。
「わぁ! 猪さんのお祭りだ!」
「凄いなぁ。あの三匹もともと食よ……」
「風!」
またフーフーはスイスイにたしなめられている。
「ほら。翡翠たちも加わりなさい」
「お父さんは?」
促してきたお父さんに聞くとお父さんはスマホを取り出して見せる。
「お父さんは翡翠たちを激写するのに専念する! あと可愛いロリっ子で目の保養をしているから安心して行ってきなさい!」
「はーい!」
僕らは猪さんと瑠璃お兄ちゃんのもとに駆けていく。
「なんか翡翠のお父さん、ヤバいこと言ってなかった?」
「変なこと言ってた? だって瑞希先生、小さい子供はみんな可愛いって言ってるからそれと同じだよね?」
「……翡翠がいいならいいけどさ……」
「なんか今日フーフー変だよ?」
「……」
「風、気にしちゃ負けだよ」
またフーフーはスイスイにたしなめられている。
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