魔法

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魔法

他人の薬指を羨ましく眺めていた時は、 まるで魔法の至宝みたいに輝いて。 いざ自分の指にそれが嵌められた時は、 信じられないくらいの喜びに、 感じたこともない不安が重くて。 片時も外さず、 あなたがいなくても、 いつも私と共にいて。 この指輪を嵌めるまでの日を数えていたのはいつだったか この指輪を嵌めてからの日は数える余裕すら無くなって 心を大きく揺さぶった薬指の輪は、 いつの間にか私の一部になって、 あの時の重さは無くなって、 そこにあるのすら気づかない。 いまは胸を高鳴らせる喜びも 身震いを起こす大きな不安も 消えてどこかにいったけど それでも忘れた頃、不意に 視線の端で目に留まる この上ない安らぎと安定感 やっぱり魔法の至宝だね
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