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魔法
他人の薬指を羨ましく眺めていた時は、
まるで魔法の至宝みたいに輝いて。
いざ自分の指にそれが嵌められた時は、
信じられないくらいの喜びに、
感じたこともない不安が重くて。
片時も外さず、
あなたがいなくても、
いつも私と共にいて。
この指輪を嵌めるまでの日を数えていたのはいつだったか
この指輪を嵌めてからの日は数える余裕すら無くなって
心を大きく揺さぶった薬指の輪は、
いつの間にか私の一部になって、
あの時の重さは無くなって、
そこにあるのすら気づかない。
いまは胸を高鳴らせる喜びも
身震いを起こす大きな不安も
消えてどこかにいったけど
それでも忘れた頃、不意に
視線の端で目に留まる
この上ない安らぎと安定感
やっぱり魔法の至宝だね
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