文鳥何でも屋 ほっちょう

08「試煉」【三竹・尾中side】夢鴉（むあ）リライト

【三竹・尾中side】01

飼育される荒鳥や手のり文鳥にまつわる部署のエリート三竹は、ゲームやメモリアルアニメで動く文鳥を描く部署の新人尾中を見る。

「それでも本気で文鳥を愛してるのか？」

生で働く三竹は、そう尾中に問う。しかし、尾中は顰めるとふんと鼻を鳴らした。

「アニメ好き入社で何が悪い(怒)」

そんな二人が出会い、惹かれ合うラブストーリー。

【三竹・尾中side】02

今日はブリーダー回りなので、通勤スーツ・作業着ではなく、ジーパンにラフなTシャツ一枚で出勤した。

「ほっちょぅ」入口付近で待つ社員たちを見つけ、向かう。きゃあきゃあと女性社員たちが近くに寄って来る中、一人だけ他の社員の顔色を気にしている女が居た。

ジーパンにチビTの女。髪はボブのストレートで、どこか自信なさげな表情は俺を苛立たせる。自分はなよなよした女が一番嫌いなのだ。

それに、昨日のことを思い出すだけで苛立ってしまう。だが、今は仕事中。俺はそう言い聞かせて、彼女に声を掛けた。