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10「試煉」【三竹・尾中side】夢鴉(むあ)リライト
【三竹・尾中side】05
この家には数人の職人達と、数十羽の親文鳥や雛文鳥が暮らしている。
「こんにちは」
文鳥たちに挨拶をしながら、俺はブリーダーに挨拶をする。お馴染み扱いしてくれる代表のおかみさんに、尾中の事を紹介すれば「ソロモンって何?」といった視線が向けられる。
「見てればわかる」
そう言って、俺は親文鳥達と戯れる。警戒して無いのがわかったのか、後ろで感嘆の声を上げる尾中の声を聞きつつ、内心誇りに思う。
(これくらい出来なきゃな)
エリートなんて言えない。
【三竹・尾中side】06
初めての尾中に「かわ不気」な肉肉しい雛を見せるのは、親鳥が警戒するので見せる事は出来なかったけれど、代わりに「うごうご」を見せることにした。
立てて無いヘニャンとした足も、そんなポーズのうごうごの可愛らしさである。
「なんて、なんてぷりずむなの!」
声を上げる尾中は、もう文鳥の魅力に取りつかれているように見える。
ダブルエッグ(鶏卵黄身二つ入り)SEEDの餌を育皺する組と、トウモロコシが原料のオカメインコ用に開発されたパウダーフードを育皺する組があり「そのう」という器官にたまるSEEDやパウダーフードを見て、俺はそれを確信した。
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