だから僕はリベロをやる。

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 中2,夏。7月9日という曖昧な日。  夢も進路もなく、無気力に日々を生きていた僕の前に転機が訪れた。僕と同じ名字の転校生が現れたのだ。  同い年のわりに長身の彼·懸田颯太(けんだそうた)は、堂々たる体格に栗色の短髪を目立たせている。その口角は何やら良いことを思いついたように上がっていた。  そもそも懸田という名字すらあまり聞かない。だからか僕は、目を見開くしか為す術がなかった。
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