だから僕はリベロをやる。

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 颯太の隣の席になった僕は放課後、部活動見学につきあわされる羽目になった。 「そういや、名前何だっけ?」 「繋ぐと書いて(けい)」  僕は塩対応みたく、淡々と答える。人と話すのはあまり好きではなく、早く終わらせたい主義だ。 「調子はどうだ?部活とか入ってる?」 「まぁ、帰宅部」  なんだ、これは。馴れ馴れしい。まるで久しぶりに再会した親戚のようだ。 血が繋がっているわけでもないのに違和感を抱く。 「もったいねぇじゃん、それ。バレーやろうぜ!繋ぐだけに。リベロとかどう?」  颯太は揺るぎない眼差しでおまけに、強引だ。その安直な考えに思わず、吹き出しそう。それより…………。 「リベロって何?」 「お前はポジションのひとつも知らねぇのか?」  その顔は、は?とでも言いたげだ。  バレーなんて授業でしかやったことないから6人制ということしか知らない。当然、興味なんて一欠片もない。 「ああ」 「そうか。守備専門だから、サーブやスパイクといった攻撃は禁止」  簡単に言えば、ただ繋げばいいだけのポジションか。とはいえ、ルールすら曖昧な僕に出来るわけが…………。 「あと後衛との交代が、いつでも何回でもできるんだ」  いや、できるかもしれない。ベンチで休憩できるし、帰宅部の僕にはうってつけかも。
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