いい夫婦の日

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高校受験 2月2日 ついにこの日がやってきた。 滑り止めの私立高校。 もはや 公立高校は冒険だと先生から言われたので、今日の私立だけは絶対に外せない。 塾でも 似たようなこと言われた。 高い金を払って 通わせたというのに、 こいつは なぜ……。 同じ考えがぐるぐると 頭を回る 「お母さん 前を向いて考えましょう。 人生長いんです。お子さんはまだ10代なんです。 これからいくらでも挽回できますよ」 おいおい !公立高校落ちる 前提になってません!? 私立、お金かかりますよね、 先生 私たちも生活があるんです ! 本当は レベル下げてでも公立高校がいいんです! 残念ながら私の切実な叫びは息子には届かない。 迫り来る 不安を一人で抱えきれないため、 夫に相談するが特に動じる様子もなく 「こいつの人生だから仕方ねえだろ?」 と、まるで他人ごとのような返事が返ってくる。 菓子食べながら言うなよ! 心の中で夫を張り倒す 日々が続いた。 そして迎えた受験当日 。 天気も悪く どんよりしている。 私の心も真っ暗だ。 それでも朝5時から起きてお弁当を作る。 初めての受験、先輩のママさん達から聞いてはいたが、これほどまでに親の心を削るのか。 ピーっと 炊飯器が鳴って、お米が炊きあがる。 ボールに炊きたてのご飯を移し変えて冷ましていると、2階から物音が聞こえる。 お!起きたんだ!そりゃ 受験だもんね。 優しくしてやろう。 きちんと 送り出してやろう。 怒ってはならない私! 自分に言い聞かせながら 平常心を保つため、あえて 目を合わせず「おはよう」とだけ言う。 しかし、顔を上げたら夫が目の前にいる。 なんということだろうか あんなに興味なさそうだったのに 受験当日だけ起きてきた!
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