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あれ?
誠司と付き合ってて、結婚したいと思った場面
どこだった?なんて言われて嬉しかったっけ?
そもそもホントに好きだったの?誠司を?
どうにも思い出せなくなって 職場の同僚や友達に
「ご主人のどこが良くて結婚したか?」
と聞いてみるが、皆一同に、覚えていないという。
恥ずかしくて教えてもらえないのかな?
と思っていたけど、どうも違う。
皆、本気で思い出せない。
今が残念すぎて 思い出が消えたのだろうか。
50代を超えるマダムは、
「夫など一緒にいるだけで腹が立つ」
と皆様、声を揃えて言う。
試しに 新婚さんに聞いてみる。
結婚2〜3年目の方々に聞いてみると、こちらは出てくる 出てくる、素晴らしいエピソードの数々。
愛が溢れ返っている。
月日とは、なんと残酷なものだろうか……
と、ここで日記は終わっている。
その後、どうにか滑りどめの 私立高校も受かって、
公立高校の受験を許可された息子は、
何とかギリギリラインで合格できた。
私は嬉しかったので、息子の合格発表の感動はよく覚えている。しかし、未だにはっきり思い出せないのは誠司のプロポーズのセリフ。
あれ……何だった?
一冊目のピンクのノートをくまなく探すが、
どこにも書いていない。けれど、代わりに思い出したのは職場の先輩マダムが悔しそうに言ってたインパクト絶大のセリフである。
「あの時は病(やまい)にかかってた。
恋愛は病気だ。今は後悔している」
まずい……いよいよ 夫婦の絆が見えない。
どうする、何て書くの?
私は携帯のメモアプリに文字を打つ。
『恋愛は病気、 結婚は墓場。
結婚前の甘い記憶は 時が経てば海の藻屑となって消えます。
必ずどこかに 「プロポーズの言葉」を一言一句違わず書き記しておくことを強くおすすめします。
幸せな過去があなたを支えます。
夫婦の日に毎年読んではいかがでしょう?
夫への感謝は生半可な気持ちでは出てまいりません。
現実ばかりを見ず、意識してひねりだす。
「結婚を決意した瞬間は正気ではなく、高熱出してる時と同じ症状です。治癒して平常心に戻れば後悔します。5年後の自分に忠告の手紙を書きましょう。
仕方がないから諦めろ。
思い出をかみしめろ』
絶っっ対ダメでしょ これ
夫婦に対する憧れや感謝が一つもないわ
市役所の応募は ペンネーム 不可だ。
このままでは 生き恥をさらしてしまう。
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