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分かってる。多分、日曜のことが自分でも気になってるしショックなのだ。いくら碧人が私の味方でいてくれるとはいえ、あんな綺麗な元カノを彼の母から勧められれば、もやもやして当然だ。
私って、やっぱり彼を好きなんだな。ちょっと変わったところはあるけど、私を大事にしてくれるし、努力家で優しい。誠実なところが、やっぱり凄くいいと思う。
苦笑いしながら、スマホでメッセージを打つ。『仕事が終わったから、今から帰ります』明日辺り、早く上がって碧人の家に行こうかな。でも作るのはめんどくさいから、何か買って帰ろう。彼は私が作ると大喜びしてくれるが、別に買ってきたものも嬉しそうに食べてくれるので、何も気にしなくていいのが楽だ。
送信したとき丁度一階に辿り着き、会社を出る。するとその時、背後から聞き覚えのある声がした。
「月乃さん」
びくっと体が跳ね、恐る恐る振り返る。碧人のお母さんと、その隣には長坂萌絵さんが立っていた。予想外の登場に心臓がどきどきと鳴った。
「あ、どうも……こんばんは。碧人をお待ちなんですか?」
私が引きつった笑顔で尋ねると、お母さんは笑顔で言う。
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