いいものみつけた

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「いいものみーつけたーー!」 3時のおやつにと焼き菓子とミルクティーをテーブルに並べていた天使さまの元へ、坊やが白い翼を揺らして駆け寄って来ました。 「坊や、どうしたの?」 坊やは微笑んで胸を張り、天使さまにその手に捕まえた「いいもの」を見せました。 ふわふわの金髪の下、蒼い宝石の様な瞳はそれはそれは得意げに、ぱあっと輝いています。  「ほらママ!見て見て!きれいでしょう!?」 でも、天使さまはそれを見て、驚きの声を上げられたのです。 「あれ?ママどうしたの?こんなにきれいなのに」 それは、小さな星でした。 青く澄んだ空と海があり、陸地には緑が溢れてきらきら光っています。 そこに住むたくさんの命の多くは幸せに暮らしている様ですが、中には苦しんでいる者や困っている者もいて、天使さまは胸が痛くなります。 しかし。 「そうね、とてもきれいね。でも坊や、それは元の場所に戻してあげなさい。 いいこと?それはあなたが手にしてはいけないものよ」
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