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だけど自分から清と仲良くなることはなかった。
利秋から目を付けられている清と仲良くするのは命取りだとわかっていたから。
「そうだったんだ。教室では本なんて全然読んでなかったのに」
「1人で座って本を読むヤツは暗いヤツ。そういう雰囲気だったじゃん」
美麗は頷く。
ただ本当に本が好きなだけでも、なぜか偏見の目で見られることはよくある。
静かなことは悪いこと。
小学校の頃からそいういう思い込みがはびこっていた気がする。
「美麗の本性は?」
聞くと美麗は手の甲で涙をぬぐって「甘えん坊かも」と、笑って答えた。
「甘えん坊?」
「うん。私一人っ子だからちょっとわがままで甘えん坊だと思う」
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