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とうとう夕方になって、遊園地から帰る時が来ても、まりえちゃんはやって来なかった。
帰る途中、四人でファミリーレストランに寄る。
おばさんの隣でお子様ランチを食べながら、お母さんぶって巧の口を拭ってくれたりするそのおばさんが、巧はだんだん疎ましくなってきた。
父はウソをついたのだろうか。
まりえちゃんは、いつやってくるのだろう。
ついにお子様ランチを食べ終わった巧は、怒って父に言った。
「ちょっと、たすくさん! たっくん、おトイレ行くから、ついてきて!」
「あ、うん」
と、父は間の抜けた返事をして立ち上がる。
「ぼくも」
と奏もついてきた。
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