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🏢 ある日町のなか 🐕
「おお、こうして冬の早朝、まだ人通りもない町の通りを、長い茶色の毛皮をなびかせたわが友マーゴと散歩をするすがすがしさよ! 愉快さよ!
なるほど、空はどんより鉛色で小雪を舞い散らすし、水のように重たい風が容赦なく顔に突き当たってくる。あのそびえ立つ灰色のビルだってまあ、磨き上げられた墓石に見えなくもない。でも傍らにマーゴが歩いてるというだけで、オーソレ見ーヨ! すべてが完璧なものに変わってしまう。
ああ、おれの目には、あの空のかなたにも茶色の耳が生えて見える。二つのやわらかい、翼のようにはばたく耳が。四角いビルにもふさふさのしっぽが生えて、大きく幸せに揺れている……。
……でもまさかこのおれに、こんな日がこようとはなあ! そうなんだ。おれがこの世に求めていたのは、実に犬の友だちだったのだ。マーゴをその代表として、おおワンコよワンコ、世界のワンコ、ンン~~~マッ、ベリッシモ! さあマーゴ、この朝もスキップ大会をしようか」
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