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(ううっ、美しい。近づいてよく見たら、なんて魅力的なひとだったんだ! この魅力は危険。危険すぎる。おれはついこないだ思い切って、おれ自身の自由をごっそりとマーゴに割譲した。その結果はこんなにも素晴らしいもの、すんげえ大成功だったが、この上大それた冒険に乗り出す気にはとてもなれないぞ。ここは速やかな退却あるのみだ……。)
「……エヘン、オホン! いや失礼。なあに粉雪を一つ、鼻で吸い込みました」
「ああよかった。この子はマーゴくんというんですね。お二人はとても仲がいいんですね!」
「ええ。でもそれだけじゃありません。この子には、世界をひろびろと明るくするすごい力があるんです。少なくともおれにとっては。しかし日本には、なんで犬の総理大臣がいないんでしょうね」
「世界中どこにもいませんよ!」
「おお、国際通であられる。そうですか。ではまあこれで。あ、スキップ、スキップ――」
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