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「まっ、待って下さい! 貴重な朝のお時間ですが、少しだけ話をさせて下さい。あ、あの私は、田舎からこの大きな町にやって来て三年の、その先のデパートの店員です。でも都会にあまり馴染めているとはいえません。きらびやかな人やものに取り囲まれながら、独りぼっちでとても寂しいと感じる日も……。ここ数日、この朝の時間、この道で、あなたがたがものすごい丸出しの生命力で、とても幸せそうにお散歩されてる様子を見かけていました。するとなぜか、自分の心もとても温かく、軽くなり、癒されていました。まるでふるさとの早春の森に、ぱぁーっとすみれの花が咲き乱れるのを見たときのような……。実を言えば、この日はとうとう話しかけたいのを我慢できずに、こうして30分早起きをして、木の幹の裏にずっと隠れて待ち伏せをしていたのです」
「マーゴ……。だそうだ……。オホン! あなたはどうやら、おれたちを買い被りすぎてます。ええ、こっちが申し訳ないほどに! おれがあなたにしてあげられるのは、どう考えてもスキップをして見せることだけ。でもそれだけでもいいと仰るのなら、しかと見て、見送ってください! さあいきます! ごきげんよう! あ、スキップ、スキップ――ん? どうしたマーゴ。なぜ動かないんだ。大好きなおれたちのスキップだろ……」
「マアアアーゴ」
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