モテる幼馴染の秘密

17/31
前へ
/32ページ
次へ
 硬くて熱いソコに、布越しに指を這わせた。 「もう、こんなになってるし……」  さらに大きくなったソレが、なんだか愛おしく感じてしまった。それは、惚れた弱みなのか。 「めちゃくちゃにしていいよ。……マルクスの、好きにして」 「っつ!」  俺の言葉を聞いたマルクスが、俺の唇に噛みつくようなキスをしてくる。  じゅっと舌先を吸われて、身体中に甘いしびれが広がっていく。何度も何度も口づけて、酸欠からなのか頭がくらくらとした。  その間にも、マルクスの手は俺の身体を撫でまわしている。その手が腰から下肢に伸びて、身体が緊張からなのかまたびくんと震えた。  ……違う。これは緊張じゃない。期待だ。 「ロドルフ」 「い、いい、続けて……」  マルクスは変なところで臆病だから、俺が嫌がっていると思ったら、すぐに行為をやめてしまおうとするだろう。  頭の何処かでは、この関係が虚しいものだって、理解していた。が、もういい。 (この際、こいつの童貞を貰って、思い出にして生きて行けばいい……)  俺とマルクスが結婚できるわけがない。だったら、こいつの童貞を貰って、思い出にして、別の奴と結婚する。  一度抱かれておけば、俺の拗らせた恋慕も、落ち着くだろうと信じて。  そんなことを考えていれば、マルクスの手が俺のスラックスの上から、陰茎に触れる。緩く勃ち上がっていたソコを撫でられて、さらに下肢に熱が溜まっていく。 「ロドルフ。俺、お前のことが、す――」  言葉の続きが容易に読めたので、俺は顔を上げて、言葉を遮るようにキスをする。  一方的にキスをして、舌でマルクスの口腔内を蹂躙する。 「……それ以上は、言うな」  唇を離してそう言えば、マルクスの眉間にしわが寄った。  けど、さすがに欲望には勝てなかったらしい。こくんと首を縦に振って、その指が俺のシャツのボタンにかけられる。 (マルクスは、人のシャツを脱がせるのは、ハジメテなのかな……)  もしもそうだったとしたら、これまた嬉しい……かも、しれない。  そういう意味での『ハジメテ』も、俺がもらえていたら。……これ以上の幸福は、ない。 「直接、触ってもいいか?」  一々問いかけなくてもいいのに、マルクスは静かな声で問いかけてくる。  そういうところも、なんだかとっても愛おしい。  だから、俺は頷く。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

140人が本棚に入れています
本棚に追加