一番気に成る事

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 ゴールデンウィークを、実家で過ごした二人は、アパートに帰ってきた。 二人を追いかけるように、久美さんから冷凍の宅配便が届いた。  海人は、すぐに食べる分を解凍し、飯を炊いて、味噌汁を作った。 今日食べない分は、丁寧に冷凍庫に入れる。  食事の準備を整えて、まだぼんやりと、目を赤くはらしたままの空知に食事をとらせる。  着替えの準備を整えて、一緒に風呂に入る。 頭も、体も、足の指先まで丁寧に洗う。  しっかりと温まってから、風呂から上がる。 昔弟たちにしたように、優しくタオルで拭く、着替えをさせて、髪を乾かす。 「はい、いいよ、空知」 「うん、ありがと」 くるりと振り返った空知は、可愛いキスを海人に送る。 「あのさ…… 海人」 「うん、なあに? 」 「…… 久しぶりに二人だね」 照れくさそうに、頬を赤く染めて、空知はもじもじと言った 「うん、二人だね」 そう答えて、海人は、シャンプーやボディーソープと一緒に並べられた、ローションのボトルと、大きめのバスタオルを掴むと、空知の手を引いて寝室に連れて行く。  二人の大きなベッドに、空知を座らせると、サイドチェストから必要なモノを取り出す。 空知をそっと寝かせると、その上に覆いかぶさる 「空知、どっちがいい? 俺を抱きたい? 抱かれたい? 」    真上から見下ろす海人から、欲望の色がながれおちてくるようだった。 海人の色気に当てられて、空知はハクハクと口を開いた。  これまでの二人の事情と言えば、空知がタチで、海人がネコだったから、空知は正直、驚いていたが、海人の色ののった雄の声を聞いた途端、臍の裏が、ギュッと握り込まれた気がした。 海人の匂いに包まれる。 「……ど、どっちも」 「どっちもシタイ? 」 そう言いながら、唇をぺろりとなめた海人に、ズキュンと射抜かれて、その舌から目が離せない。 「かいと…… 」 縋るように名前を呼ぶ  海人は、ゆっくりと近づいて、耳の中にポツリとつぶやく 「イイヨ」  耳が熱くなって、項がゾワリと毛羽だった、鎖骨が痛いほど厚くなって、みぞおちが騒ぎ出す。 手を伸ばして、海人の頭を抱きしめた。 海人はそのまま舌を伸ばして、うっすらと汗の浮かんだ、空知の鎖骨辺りを舐める。 舐められた途端に、空知の腰が跳ねた 「カワイイ…… 」 海人がつぶやいたその言葉で、耳の奥まで痺れた気がした。 「……あっ、あぁ」 空知の喘ぎ声に、堪らなくなった海人は、強く抱きしめた。  二人で絡み合って、深いキスを繰り返す、 「あっ、かい……アァ」 キスの合間に、空知は何度も海人を呼ぶ。 そっと、開けた目に、オスの顔をした海人が見える。 「かい…… カッコイ…… 」 「そら 」 海人はむさぼるように、空知を味わう。  海人が存分に、空知を撫でまわす。 ローションを手に取ると、じっくりと温める、空知のアナルを指で、くるくると撫でる。    その感触に意識が集中しないように、身体中にキスをする。 左の胸の下に、より一層強く吸い付くと、赤い花びらのような跡が残った。    余裕を失くした空知が、パクパクと口を開ける、切ない喘ぎ声が、ひっきりなしに聞こえて来る。 緩やかに立ち上がろうと震えているペニスを、優しくこすると口に含んだ。 「あっ、あぁ、ヤッ…… やだっ、かい、んぅっ」 空知は、快楽から逃れるように、腰を震わせて、海人の頭を掴み、離そうと抵抗する。 その行動に、逃すまいと、余計に強く味わう 「いっちゃう、かい! かい! はなして!もうむり」 「いっへいいほ」 「そこで、しゃべんないで!」 空知がペニスの快楽に夢中になり、力が抜ける瞬間を見逃さずに、アナルに指を差し入れる、ローションを足してグズグズに溶かしながら、空知のイイ場所を探す。  急に空知の身体が跳ねる場所に触った。  コリコリとしたその場所を憶えるように、強く押す 「あっ、あぁ」 弓なりに背中がしなる、海人は指をもう一本指を、増やして、空知の反応のイイその場所を二本の指で挟んだ 「か、かい…… かい、イヤぁ」 一度口を話すと、ペニスの先端の小さな穴を、押し広げるように、舌をとがらせて、トントンと刺激する。 空知の快楽は、もう声にならずに、大きく口をあけたまま、足をピンと伸ばして、空知は精を吐き出した。  飛び出したソレは、海人の顔を汚した。 「ぁ、ぁ、ごめ…… ごめんなさい」 「大丈夫だよ、気持ちよかった? 」 そう聞きながら、唇にかかったそれを、ぺろりとなめた。  それをみていた空知は、いたたまれなくなって、顔をそむけた。  海人は、顔にかかったそれを片手でふき取ると、空知の身体の捻りを利用して、空知をうつぶせにすると、枕を挟み込んで、上手に空知の腰を高く上げさせた。  空知はシーツにしがみついたまま、尻を海人に捧げるような形になった。 海人は、空知のアナルにローションを足すと、指を増やして、柔らかくほぐした。  さっきイッタばかりのペニスも、けなげに立ち上がって震えているので、また手のひらの中に収めて、可愛がる。 「あっ、イッた、イッたばっかりだから…… かい」 「ん~、大丈夫だよ」 「ダイジョブない、こ、こわぃよ」 「もっと、気持ちよくなれるからね、全部俺に預けてごらん」 フルフルと揺れる尻を温めるように撫でる 「イイコ」  尻を撫でられているのに、期待に震えるペニスから、我慢汁が零れ落ちる。 十分にアナルをほぐすと、海人は自分のペニスを少しこすって力を与えると、歯でゴムの袋を開けて、片手で器用にかぶせる。 緩んで期待でクパクパと口を開けた空知のアナルに、海人の先端を少し入れる。 「ゆっくり入れるからね」 そう言うと、少しずつ力を掛けて、空知のなかに入っていく。  空知の中は、ミチミチと音が鳴りそうなほど狭くて、温かくて気持ちいい、一気に突っ込みたくなる衝動を必死で抑え込む。  好きで、好きでたまらない恋人に、受け入れてもらい、一つになるこの神聖な行動に、感動する。   うっすらと汗をかいて、桜色に染まった空知の背中に、指を這わせる。  そっと摩った場所から、電気が走ったように、空知の身体が反っていく。 手に馴染む温かさが愛おしい。  指一本程度の深さまで入れたところで、空知の喘ぎ声が聞こえる。 「あっ、あぁ、んっ、はっあ……」 「そら、気持ちいい、そらのナカ」  後ろから手を伸ばして、空知の前髪をかき上げて、その顔を覗き込んだ 「あっ、ン、んぁ、かい…… イっ! 」  海人は、それ以上の挿入を止めて、暫く動かずに、空知が慣れるのを待った。 初めての行為に、空知の身体はがくがくと震えた。  その後、腰を引いて、空知の中から出ていった 「あ…… なんで」 空知が振り向いた、海人は、空知の身体を反転褪せて、そのまま抱きしめた 「ごめん、ちょっと、焦った…… 」 「なんで…… かい、まだ、イってないのに」  汗だくの、空知の額を撫でる。  「空知が、春馬にとられたままだから」 「春馬? 」 空知は、不思議そうに海人を見上げる。  海人は何も言わずに、空知の頬を撫でた。 「春馬の事ばかり考えているから、嫉妬した」 海人は、空知の横で、ごろりと横になった。  空知は、海人を覗き込むように、半身を起こした。 「春馬に、可愛そうなことしたから、気になって…… かい、怒った? 」  海人は起き上がると、激しく空知に口づけた、 言葉も、息も奪うようなキスだった。 「ほかの、男の名前呼ぶなよ」 「それは、かいが…… 」 言いかけた空知の口を、また激しいキスでふさいだ。  激しいキスに、翻弄されて、空知は涙目で海人を見る。 「かい、ごめん…… 」  海人は、空知の頭を撫でた 「怒ってない」 「ごめん」 空知は、海人にすりすりと甘える。 「怒ってない」 海人はプイっとそっぽを向いて、目を隠した 「怒って良いよ」 空知は、そっぽを向いた海人を、廻り込んで覗き込む。 「かい」 「……何? 」 空知は、海人の両頬を包んで、自分の方に向けた。 「続き、シナイの? 」 「……これから、開発して、空が気持ちよくなれてから、全部入れる」 あからさまに説明されて、空知は赤くなってうつむいた。  空知のその反応が、可愛らしくて仕方がない海人は、あざとさ全開で、首をかしげる 「ダメ? 」 「……ダメ、じゃない」 海人は、ギュウギュウと空知を抱きしめた。 「もう、好き、大好き」 「俺も好き」 空知も、海人にギュッと抱き着いた。 「それでさぁ、どっちもシテ良いって言った」 空知は、海人を押し倒した。 空知にのぞき込まれて、海人は返事に困ってしまう。 「あぁ、やっぱり、海人はカワイイ」 そのまま、海人の身体のあちこちに、口づける。 「今日は、最後までしようね」 海人の乳首を咥えると、勢いよく吸い付いて。 海人は声にならないほどの声をあげて、仰け反った。 空知に翻弄されて、シーツに縫い留められていく。  身体中にキスをしていた空知の手が、海人のペニスを掴んで、ゆるゆるとしごかれる。  海人の股間に顔を近づけた、空知がペロリと下から舐めあげる。 「さっきまで、これが、俺の中に入ってたんだ」 「ちょっ、ちょっと、そら」 「気持ちよかったよ、痛かったけど」 「あっ、ごめ……」 「痛かったけど、かいと繋がってると思うと、体ン中から熱くなって、蕩けそうだった、海人もそうだとイイ」 そう言うと、海人のそれをぱくりと加えた。 舌とのどを使って追い詰められる。 「そら! そら! そっイヤぁ……」 海人が仰け反って感じるので、空知は益々むしゃぶり尽くす。 「あっ、あぁぁぁ」 さっき、寸前のところで諦めた絶頂は、すぐにやってきて、こらえる隙さえ与えられずに、吸い取られた。体中から汗が噴き出して、絶叫に近い声をあげる。  一度イってしまうと、身体中から力が抜けて、海人は、心地いい波の中に漂っている。 「かい、そのまま、力抜いていてね」  空知は手で温めたローションを丁寧に、海人のアナルに塗り込むと、遠慮なく指を差し込んだ、空知の愛撫にすっかり慣れてしまった海人の身体は、空知を招き入れるように、動き出す。 「かい…… 」 「うん、 大丈夫」 空知は、海人の身体から指を引き抜くと、自分自身にゴムをはめると、正面から海人と向きあい、その両足を肩に担ぎあげた。  ゆっくりと先を押し当てて、体重をかけてズブズブと差し込む。 「あっ、あぁ」 「息をして、海人」  空知の言葉に励まされて、口を開ける、吐いた息の分、新鮮な空気が肺を満たす 「きもちいいね、こっち見て」 言われるままに、空知を見る。  空知を見た途端、感情がむき出しになったような感じがして、感情の無い涙があふれた。 「そら、そら…… 」 「うん、きもちいいね」 空知は、海人のペニスをしゅこしゅことこすり上げる。 「イイ? 」 空知の声に反応して、海人の中がギュッと動く 「かい、俺、きもちぃぃ」 「あぁ、んっ」 空知は、海人にキスをしながら、ゆっくり、ゆっくりと入って来る。 海人は、自由にならない体の全てが、心地よかった。  空知の全てで、絶頂に押し上げられる、言葉で聞こえない『愛してる』の気持ちが、空知の身体からにじみ出て、海人の全てを包み込んだ。  ずっと奥まで空知を咥え込んで、腕も、足も、すべてを使って、お互いを引き寄せて、静かになじむのを待つ。 「かい…… はいった、せんぶ」 「うん……あつい」 海人の短かった息が、少しずつ整ってきたのを感じて、空知は腰をゆっくりと揺らした、ぐちゅぐちゅと水音が二人の間で、鳴り続けた。 「あっ、あっ、あっ……」 「かいと、愛してるよ」  空知は、海人の背中を掻き抱く、少しの隙間も嫌で、引き寄せる。 「そら…… 」 海人が、うわ言のように、空知を呼ぶ。  空知は、ゆっくり、優しく……と心の中で繰り返すのに、体はゆうことを聞かずに、もっと強く、もっと深くと動いてしまう。  海人の喘ぎ声に、空知の唸り声が混じる。 「もっと、シテ」 海人にそんな言葉で呟かれたら、我慢などはできない。 思うままに、抱きしめた恋人を味わい尽くした。 海人が白濁を飛ばしても、空知は止められず、むさぼった。 ゴムの中に、自分の欲望を放つと、一度海人から引き抜いて、ゴムを外して口を縛ってゴム箱に捨てると、出したはずなのに、力を失わず硬くなったままのそれに、新しいゴムをかぶせて、ローションをぶっかける。  ぼんやりと空知を見ていた海人を抱きしめると、片足をあげさせ、ぱっくりと口をあいたアナルに二本の指を入れると、左右に開いた。 「あンっ」 「……カワイイ声」 真っ赤になって恥ずかしがる海人の頬を、優しく撫でる。 「もっといやらしいことをしているのに、その声がはずかしいの? 」 「かい…… 」 プイっとそっぽを向く海人の乳首を強くつまんだ 「あぁ! 」 責めるような眼で、海人が睨み付けたが、それすらも、空知を煽る。 「ごめん、ごめん 」 指で広げたそこに舌をねじ込む 「あっ、いや、やめて…… 」 空知はそこも容赦なく吸い上げた 海人は、声をあげて、体を跳ねさせた。 「もう一回」 空知は甘いキスをしながら、海人の敏感になっているアナルに、自分のソレを押し当てた。 その夜は、どんなにお願いしても、なかなか離してもらえなかった。     海人は、いいにおいにつられて目が覚めた。  隣で寝ているはずの空知が居なかった。  目をこすりながら起き上がろうとしたが、力が入らずまたベッドの上に転がった。 「おはよう、海」 海人は、目だけ布団から出して、空知を見た 「起き上がらなくていいよ、食事運んできたから」 そう言いながら空知は、海人を引き起こして、クッションを背中に入れて、座っていられるようにしてくれた 「昨日、無理させたから、今日はあまやかすね」  朝食はサンドウィッチとコーヒーだった。 お盆の上にセットされたソレを、海人の膝の上に乗せた。 「フルーツもあるからね、喉大丈夫?」 「あとで、お風呂入ろうね、昨夜は軽く拭いただけだったから、気持ち悪いでしょ」  そんな風に、甘やかされて、ゴールデンウィークは終わった。
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