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6.当て馬だって、キミが欲しい
他人の熱なんて触った事無いから、もうどうすれば良いのか分からない。
ただ恥ずかしくてアワアワしてる僕を、シュウが楽しそうに眺めてまたキスを落としてきた。
性感帯を引き出すような濃厚なキスに、また頭はふわふわして、もう手は離されてたのに僕はいつの間にかシュウの物を服の上から握ってた。
形を確かめるようになぞって握ればもっと腰を押し付けてきてシュウのモノは固くなって、僕まで興奮してしまう。
「ふぁ、ん、ん、はぁ、んぅ……っ」
シュウは激しいキスを止めないまま、また服の中をまさぐりだす。
腰を柔らかく撫でてスーッとくすぐるように指を滑らせてへその周りをなぞる。
それだけなのに体は恥ずかしいぐらいビクビク動いちゃって、そうするとますますキスが激しくなった。
「ベッド……行こっか?」
「ん、ぁ……? わぅっ!?」
僕が激しいキスに息も絶え絶えになった頃、シュウもハァハァ言いながら僕に問う。
聞いてきたくせに、シュウは返事も聞かずに僕の体を抱え上げた。
そしてベッドに押し倒されてからは、もう凄かった。
とたんに服を引っ剥がされて、胸にむしゃぶりつかれて、ちんこなんか竿を扱きながら先っぽまでグリグリと器用に刺激された。
「ひぅ、あ、あぁっ、も、やだぁ……っ」
自慰でしか性欲を発散したことがない僕は、人から与えられる快楽がこんなにも激しいとは知らなかった。
ぐずぐず泣きながらやだやだと首を振っても強制的にイかされてしまい、おまけにやらしい舌をあちこちに這わせるから、もうどこが気持ちいいのか分からない。
だからいつの間にか尻の穴までいじられてたけど、気がついた時にはそこでも気持よくなっていた。
「あーかわい……ねぇ見てユキちゃん、こんなに柔らかくなっちゃった。三本入れても気持ちよさそう……ね? 気持ちいい?」
「あっ、あぅ、や、やっ、わかんな……っ」
かわいいかわいいと取り憑かれたかのように繰り返すシュウは、まばたきしてないんじゃないかってぐらい僕から目を離さない。
実際目がちょっと血走っていて、ホントにまばたきしてないんじゃないだろうか。
絶え間なく与えられるすぎる快楽に息も絶え絶えなのに、シュウは容赦なくキスをする。
「ユキちゃん積極的なのにさぁ、なのにいつも自信なさげで……それでも頑張るユキちゃんがかわいくてかわいくてさぁ……」
「や、やっ! またクる……っ、それ、や……っ」
目にたまる涙を舐められ、両手で穴と竿の両方をせめられる。
僕の足の間に入っているから足を閉じる事も出来なくて、ひたすら力の入らない手でシュウにしがみつく。
「周りの子より断然ユキちゃんのがかわいいのに、自分でもかわいいの分ってるくせに、ちょっと他の子と話しただけで不安げに俺を見上げちゃうのとかさぁ、どんだけかわいいか分かってる?」
「も、やだ、やだぁ……っ、もう出ない、からぁ……っ」
もう出ないのに、出したくないのに。
暴力的に性感帯を刺激するシュウはいつもと違って全然優しくない。
でも、この手は離せない。
「こーんなかわいい子がさぁ、必死に俺に甘えてきてさぁ……そのくせ不安そうに震えてんの。もうぐちゃぐちゃにしちゃいたくて堪んなかったよ……」
「あっ、あ、あ……んんーーっ!」
僕を射抜く視線は僕だけを見ていて、それはずっと欲しかった物だから。
僕はまた体を痙攣させ、欲を吐き出す。けれど何度も射精したから吐き出せる物がなくて、大きく体を震わせて快感を逃がすだけだった。
「でも怖がらせちゃいけないって、ずーっと我慢してたんだよ? ね? 俺も頑張ったっしょ? だからホラ、また俺を欲しがってよ……」
「はぁ、はぁっ、あ、う……シュウ……くん……」
顔にたくさんキスを落とすシュウが、甘く低い声で囁く。
「ね、言って? ユキちゃんの口から、欲しいって、さ……」
「ひんーーっ、あぅ……ッ!」
じゅぶ……っ、と、未だ入ったままの指が的確に性感帯をかきまわす。まるで、言えと脅しているような手つきは怖いのに、声とキスは憎いぐらい優しい。
快楽に落ちた思考はもうまともな考えなんて出来ない。
けれどしつこく心が叫んでる。欲しがっちゃダメだって、どうせ手に入らないんだって。
でも、でも、キミが言った。欲しがって良いよって、言ったから──
「──しゅう、が……ほしい……ちょう、だい……」
「……っ、ははっ、よろこんで……っ!」
「──……ッ!!」
容赦のない熱が、嬉々として打ち込まれた。
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