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「ジュ、ジュ、ジュよ〜。おまえはずっと屍肉あさりだった。生まれたときからずっとおまえはスカベンジャーなんだ。そうだろ?」
「……俺の名は、古代語で太陽の意味なんだ」
おまえの親は、もしかしたら、それなりの地位と教養があったのかもしれないな、と女性の声が頭にひびく。
「だから、本当は高貴な生まれなのさ」
「はは、王子さまだとでもいうのか」
焚き火をかこみ、俺をかこむ屍肉あさりたちが声をあげて笑う。笑う、笑う、笑う。それに負けぬように両ひじをついて身を起こし、
「そうだとも!」
王子さまさ、と笑ってやる。もう一度、どっと笑いが起こった。これが俺の最期か。いいさ、笑われながら死んでやる。
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