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碧が目を丸くするのも無視して、自分から全部を脱ぎ捨てた。
「緋聖、くん?」
Attractの姿勢を解いて、肩を掴んで押し倒す。汗ばんだ肌を重ねる。触れ合っているだけで心地良い。でも、足りない。もっともっと、溶けあうくらい貪りたい。
内側から満たされる充足感は、碧以外では埋まらない。
たっぷりとしゃぶった碧のものはガチガチで、はち切れんばかりに張りつめて揺れている。俺もだけど。
腰を跨いで乗り上げると、碧は正気に返った顔で必死に首を振った。
「だ、ダメだよ。やめて」
左右の手首を握ってシーツの上に縫い留めると、抗って体をよじる。
「なんでだよ」
「そんな、緋聖くんの恰好、誰かに見せるなんて、僕が嫌だ」
「自分の『こんな恰好』は構わないのに?」
からかうように指の腹で顎を持ち上げると、碧はぐっと言葉を飲んだ。
「カメラの件だろ。心配すんな。あれ、嘘だから」
「え?」
頭を持ち上げようとする碧を再び押さえつけて、鎖骨の窪みをなぞる。手のひらで凹凸を撫で、内腿を緩やかに締めつける。
「嘘だってば。カメラってのは俺の出まかせ。別に、なんにもないから安心しろ」
「は? へっ? う、嘘って」
「見られてるって思ったほうが、おまえが興奮すると思ったから」
「そ、そんなこと、なっ、」
「間抜けな顔してる場合じゃないだろ。Come」
Glareまじりに強く念じると、碧から薄膜が剥がれたみたいに、緊張が解けていったのかわかった。リラックス、それでいて強く激しい欲望を感じる。碧に強い衝動を促しているのが自分だというのが、なにより心地よかった。生唾が湧く。
もう、一秒だって待ちたくない。
すでにうしろは準備万端でねっとりと潤っている。いますぐにも、碧の熱を感じたかった。
左手で掴んで、右手を入口に添えて、軽く掻き回す。十分仕込んでおいたから、すぐに呑み込める。先端がめりこむくらいの位置で止まると、かすれた声でもう一度Commandを告げていた。
「Come」
俺の煽りは即効で、碧に届いた。両手で腰を支えられて、下から突き込まれていた。
「……ん、ゔッ」
息が止まるほどの衝撃で、脳天まで突き刺さったかと錯覚する。
圧倒的な異物感が、間違いなく、ある。そこに存在する碧。俺を欲しがって、俺のCommandに動かされて、乱暴な腰つきで捩じ入れられる。俺は自分から迎え入れるように、腰を落としていた。
「はッ、あ、ンあ」
熱くて硬いもので、中から掘削される。ローションで蕩けた襞が擦れる。濡れた粘膜を直接刺激されると、痺れるくらいの快感が走る。
もっと、もっと。
はやる気持ちを抑えて、繋がった碧を締めつけながら、暴発寸前の欲望を握りこむ。たまらない。せり上がる衝動のまま、自らの手で刺激する。何度も扱くまでもなく、俺はあっという間に達していた。
奥で食い締めるように絞り尽くすと、碧も同じように放ってくれた。
じんわりと広がる多幸感で、全身の力が抜ける。俺はそのまま碧の胸に倒れこんでいた。
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