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四人目の魔女の呪い
むかしむかしのお話でございます。
ハイリシュエン国という、自然豊かな小さな国に、女の子が生まれました。
名前は、リエール。やさしい王様とお妃様の間に生まれた、待望の赤ちゃん。
小さな王女様に最高の幸せを贈ろうと考えた両親は、魔女たちを誕生祝いの席に招くことにしました。
金食器の枚数を数えた台所係は言いました。
「皿の数が足りません。招待客を一人減らさないといけません」
大臣は鼻の下から伸びる長い白髭を引っ張りながら、考えあぐねました。
「はて、困ったぞ。隣国のお偉い方々にはすでに招待状を出してしまった。では、国内の貴族を……。いかんいかん。招待しなかった者に恨まれたら、政治がやりにくくなる。さて、どうしたものか……。そうだ、魔女を一人減らそう」
ハイリシュエン国には魔女が四人います。その中の一人は、高齢。人間嫌いで、滅多に人前に現れず、山奥にある塔にこもりきり。生きているのか死んでいるのかわからないという噂です。
「山奥の塔に閉じこもっているのだから、王女様が生まれたことを知らないだろう。もし招待されなかったことに気づかれたとしても、招待状を送ったのに届かなかったということにすればいい」
こうして招待客のリストから、ミルーシェという名前の魔女が消されたのでした。
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