22人が本棚に入れています
本棚に追加
――ただ、それはそれとして。
(――うっわ、またあの人と同じシフトかよ。開始早々気が滅入るわ)
(――あんたなんてまだ良いじゃん。あたしなんて、もう四日連続で被ってるんだよ? 空気が重いのなんのって)
接客の最中、少し後方からそんな会話が耳に届く。不運にも、僕と時間が重なってしまった大学生のスタッフ達だ。多少なりとも声を潜めているのは、僕にというよりお客さんに対しての配慮だろう。……うん、だったら言わなきゃ良いのに。
……まあ、そうは言ってもやはり申し訳ない気持ちはある。僕が彼らの立場でも、僕みたいな陰鬱な雰囲気を纏った人間と近しい空間にいるなど、願わくば御免被りたい。とはいえ、そこはもう割り切って頂けたらと。仕事ってそんなもんだし。
最初のコメントを投稿しよう!