仕事ってそんなもんだし

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 ――ただ、それはそれとして。 (――うっわ、またあの人と同じシフトかよ。開始早々気が滅入るわ) (――あんたなんてまだ良いじゃん。あたしなんて、もう四日連続で被ってるんだよ? 空気が重いのなんのって)  接客の最中(さなか)、少し後方からそんな会話が耳に届く。不運にも、僕と時間が重なってしまった大学生のスタッフ達だ。多少なりとも声を潜めているのは、僕にというよりお客さんに対しての配慮だろう。……うん、だったら言わなきゃ良いのに。  ……まあ、そうは言ってもやはり申し訳ない気持ちはある。僕が彼らの立場でも、僕みたいな陰鬱な雰囲気(くうき)を纏った人間と近しい空間にいるなど、願わくば御免被りたい。とはいえ、そこはもう割り切って頂けたらと。仕事ってそんなもんだし。
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