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ともあれ、折角なので差し出されたカップを有り難く受け取る僕。まあ、会社のルールに則ると本当は廃棄しなきゃ駄目なんだろうけど……でも、まあ良いよね? ほら、昨今ではフードロス問題が声高に叫ばれているわけだし、廃棄なんて以ての外……うん、誰に言い訳してるんだろ。
それから、数十分ほど雑談を交わす僕ら。藤島さんが積極的に会話をリードしてくれるお陰で、コミュ障の僕なんかでもどうにかやり取りが成立する。ただ、そんな素敵な技能や労力を僕なんかのために割いてくれているのが本当に申し訳ない。なので、事あるごとに先に切り上げようとするのだけど――
『――えぇっ、もっとお話ししましょうよ冬樹先輩!』
そう、僕の腕をぐっと掴み引き留める藤島さん。だいたいいつもこのパターンだ。……うん、こう言っては失礼なんだろうけど……ほんと、僕なんかと話して何が楽しいのだろう。
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