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「さて、それでは占いを始めるとするが――まずは、どちらから視てほしいんじゃ?」
「えっ、どちらも視れるんですか? ご存知かと思いますが、この狭さなので前後の入れ替わりとかできないですよ、私達」
「ああ、分かっておるよ。じゃが、占うだけなら顔だけ見えていれば十分じゃ。じゃから、嬢ちゃんが少し屈むなり、坊っちゃんが後ろから顔を出すなりすれば何も問題もない」
「なるほど。それでは、私からで良いですか? 冬樹先輩」
「ええ、もちろんです藤島さん」
占い師さんの説明を受け、後方に位置する僕の方へ振り返り確認をとる藤島さん。もちろん、異存なんてない。と言うより、正直僕は元より視てもらうつもりも然程なかったわけで。
ところで、それはそうと……ひょっとしたら歳上なのかもしれないけど、この人から坊っちゃんと呼ばれる違和感が半端ないね。
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