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気がつくと窓の外は暗い。
部屋の外も静かだ。
あちこち痛いな、と思っていると静かに部屋の扉が開いた。
動きにくい体に力を入れ、入口を見た。
春馬だ…春馬が来てくれた。
横まで来ると春馬はいつもの優しい表情で話しかけてきた。
『智里、大丈夫?痛かったでしょ。』
必死でうなづいた。
春馬は?春馬は大丈夫だったの?ほかの病院に入院したって聞いたよ…声が出ない私の言いたいことが分かるのか、春馬は『俺は大丈夫だ』と話してくれた。
それからしばらく2人で話す、と言っても声の出ない私は春馬からの問いかけに首を縦にふるか横にふるかでしか、会話はできなかった。
しばらく話したら、春馬は時計を見て『もうこんな時間だから。また明日来るね。』と言って帰って行った。
春馬は一人あの部屋に帰ったのか。寂しくないかな、と心配になった。
結婚するまで料理をしたことなかったから、一人暮らしじゃ困っているかもしれないな。早く元気になって帰らなきゃ。帰ったら春馬が好きなハンバーグを作ってあげよう…
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